「医は仁術」といえども、医療提供体制を安定させるためには、経営も同様に安定させる必要があります。
ここで重要なのは集患対策であり、一般的な手段の一つが『広告』です。特に新規開業の場合には、まずは患者さまにクリニックの存在を認知してもらうことが必要不可欠であり、そのための取り組みが肝要となります。
今回は、「どのような広告が必要か」、「留意すべき点は何か」といった観点で、検討すべき広告プランについて解説します。
この記事のポイント
はじめに(注意事項)
参照:厚生労働省 2024年9月13日掲載「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)」
(https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001304536.pdf)
万が一ガイドラインに違反した場合には、罰則対象となりますのでご注意ください。
① 広告の中止や是正命令
② 6か月以下の懲役または30万円以下の罰金
③ 医療機関の開設許可を取り消し
不要なトラブルを避けるためにも、広告を検討する際には医療機関での実績が豊富な広告代理店に相談されることをお勧めします。
何から決めていく?
まずはクリニック名およびロゴマークの検討からスタートします。
これらはクリニックのコンセプトを具現化し、すべての広告物の基盤となる重要な要素です。
そのため、先生の想いや理念を込め、反映できるようにしっかりと検討しましょう。
クリニックのホームページとWeb広告
多くの患者さまがインターネットを通じて情報を収集し、受診先を検討しているため、自院のホームページが必要不可欠です。加えて、検索エンジンでの露出を高め、自院の情報が患者さまの目に留まる機会を増やす対策(SEO対策)が重要となります。もちろん、ホームページも医療広告ガイドラインにおける規制対象のため、内容を遵守しつつコンテンツを充足していきましょう。
また、初回作成で終わりにせず、診療案内や医療情報を含むコラム記事やブログ等のホームページ内コンテンツを定期的に更新することで、SEO対策にも繋がります。その他、リスティング広告やバナー広告といったものもございますので、費用対効果を考慮しつつ自院の状況に適した対策を取っていきましょう。
(SEO:Search Engine Optimization 検索エンジンでの最適化の取り組み)
誘導看板
通称、『野立て看板』といわれるもので、自院の敷地内や公道に設置し、偶発的に不特定多数の目に触れることを目的とします。設置場所に関しては、交通状況(交通量、渋滞状況等)を基に検討すると良いでしょう。
また、ご開業後に実際の来院患者さまの分布を分析し、自院シェアの薄いエリアに対しての対策として検討するのも有効です。ただし、状況に応じてランニングコストが必要になる点には注意が必要です。
(例:施設賠償責任保険、点検保守費用、固定資産税 等)
印刷物
職員募集の求人チラシや内覧会の案内チラシとして準備し、新聞折込やポスティングの手段で配布します。
こちらも広告代理店に用意を依頼しますが、この他にも『クリニック案内用のリーフレット』や『先生のお名刺』、『クリニック名入り封筒』等も併せて作成してもらうとよりスムーズな展開が期待できます。
SNS
急速に発展してきた広告手法であり、『X(旧Twitter)』や『Instagram』、『LINE』等が代表的です。これらのプラットフォームは情報発信のリアルタイム性に優れ、若年層へのアプローチに有効な手段となります。例えば、休診のお知らせやイベントの案内、忘れ物の案内等、多様な用途に利用が可能です。
ただし、個人情報の保護や、不適切投稿の防止のため、ネットリテラシーを意識した運用が肝要です。
クリニックのロゴ、ホームページ、チラシ制作など広告プランについてもお任せください。
医療広告ガイドラインを遵守しつつ、状況や用途に応じた広告プランを検討することが肝要です。
当社では医療業界に精通した広告代理店のご紹介や、効果的な広告プランニングに関するアドバイスもおこなっています。ご用命がございましたら、お気軽にお問い合わせください。